8/1米国株式市場は反落。景気後退への警戒感も下値では押し目買い強い。

経済ニュース相場分析

50才から始める米国株式投資初心者の資産運用

8/1(月)の株価

前日比(%)
日経平均27,7993.35円+0.69
ダウ平均32,798.40ドル-0.14
S&P5004,118.63ドル-0.28
ナスダック12,368.98ドル-0.18
ラッセル20001,883.31ドル-0.10
米10年国債2.536-5.17
恐怖指数(VIX)22.84+1.51

1日の米国株式市場は3指数共に反落。景気後退への警戒感も下値では押し目買い強い。

1日の米国株式市場は4日営業ぶりの反落となる。

エネルギーや銀行が下落の一方、米国債利回り低下からIT・ハイテク株など成長株には買い戻しの動き見られた。ディフェンシブセクターは好調。

8月相場に入る中、先月の上げは一服。序盤は売り先行で始まったものの、下値での押し目買い意欲も高まっている。

第2四半期の決算は警戒していたほどは悪くないとの評価や先週のFOMCを受け、一部の人が懸念していたほどFRBは積極的に利上げを行う必要はないとの見方から、7月相場は2020年以来の月間上昇率を記録していた。決算についてはS&P500のうち279社が発表を終え、その77.8%が最終利益が予想を上回っていた。長期平均の66.1%よりも高い。

しかし、世界的な需要低迷と中国経済への不透明感による世界的なリセッション(景気後退)への警戒感は根強い。市場からは、FRBの引き締め政策が続く中で、米経済は景気後退に向かう可能性が高く、企業利益が予想よりも弱い。そのような中で株価に上昇余地はほぼないとの指摘も出ていた。

この日発表の7月のISM製造業景気指数は52.8と前回からほぼ変わらずの水準となった。予想は若干上回っている。前回縮小に転じた新規受注がさらに悪化。雇用は上昇したものの50を下回る水準。一方、サプライチェーン問題は緩和しているようで、在庫拡大や仕入れ価格の大幅な低下が見られ、在庫指数は1984年以来の高水準。今回の指数は景気軟化に対する懸念を表しているとの分析も出ている。

米10年国債利回りが2%に低下も、半年から1年で-BofA予測

  • 「相場反発の楽な部分は終わったが、さらに持ち直すことは可能」
  • ファンダメンタルズとよりテクニカルな要因次第とストラテジスト

米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、景気がより著しい減速に見舞われる中で、米国の10年国債利回りが今後半年から1年以内に2%に低下する可能性があるとの見通しを示した。

インフレから成長のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)悪化に市場の焦点が最近移ったことも作用し、米10年国債利回りは2.6%に低下した。これはBofAが適正レンジとする2.35-2.65%と一致する。

同行のストラテジスト、ブルーノ・ブライジニア氏は1日の顧客向けリポートで、米連邦準備制度が米景気をソフトランディング(軟着陸)に誘導できるとしても、2%に近づくことはあり得ると指摘した。

米供給管理協会(ISM)が1日に発表した7月の製造業総合景況指数は52.8に低下し、仕入れ価格も約2年ぶりの低い水準となった。これを受け、10年債利回りは一時2.58%を付け、2年債との逆イールド(長短金利差逆転)は32ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2000年以降の最大水準近くまで拡大した。

ブライジニア氏は「大体において相場反発の楽な部分は終わった。ここからさらに持ち直すことは可能であり、そうなりそうだが、それがどの程度かは一連のファンダメンタルズとよりテクニカルな要因に左右される」と指摘した。

米ISM製造業景況指数、約2年ぶり低水準-新規受注なお縮小圏

  • 7月のISM製造業総合景況指数は52.8-20年6月以来の低水準
  • 生産指数も約2年ぶり低水準、在庫指数は1984年以来の高水準

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業総合景況指数は、前月に続き低下した。受注の減少や在庫増加を受け、製造業者は生産のペースを落としている。

7月のISM製造業総合景況指数は52.8に低下-2020年6月以来の低水準前月は53.0ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は52.0指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

生産指数も約2年ぶりの水準に低下。新規受注は前月に続き縮小圏にとどまった。経済が勢いを得るのに苦慮する中、製品需要が軟化していることが浮き彫りとなった。

ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で「委員の間では、経済の軟化を巡り懸念の声が出ている。サプライチェーンの過剰在庫に対する不安が強まる中で、新規受注の指数が2カ月連続での活動縮小を示したためだ」と記した。

在庫指数は57.3に上昇し、1984年以来の高水準。在庫が積み上がっている製造業者が増えていることを示唆している。サプライチェーンが一段と混乱した場合に備えて在庫を積み増している製造業者も多いが、この指数上昇は一部に意図しない在庫増が含まれていることを示唆している可能性もある。 

7月は製造業の11分野で活動が拡大。特にアパレル、鉱物、石油・石炭製品で伸びた。一方で木材製品や家具、紙類など7分野では活動が縮小した。

仕入れ価格指数は60で、前月から18.5ポイント低下。ほぼ2年ぶり低水準となった。需給の不均衡が続く中、同指数は過去1年半の大半において極めて高い水準で推移してきた。

18.5ポイントという低下幅は2010年以来の大幅で、これは原油と金属の価格下落を反映している。回答者のうち22%近くが7月の支払い価格低下を指摘。この割合は前月に8.3%だった。

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