5/6米国株式市場は続落。雇用統計を受け利上げ継続観測。

経済ニュース相場分析

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5/6(金)の株価

前日比(%)
日経平均27,003.56円+0.69
ダウ平均32,899.37ドル-0.30
S&P5004,1232.34ドル-0.46
ナスダック12,144.66ドル-1.40
ラッセル20001,839.56ドル-1.69
米10年国債3.144+3.22
恐怖指数(VIX)30.19-1.01

5月6日の米国株式市場は3指数共に続落。10年国債利回り3%台上昇と中国経済の更なる悪化を懸念。

S&P500MAP

6日の米国株式市場は、3指数共に続落で終了する。

週末を控えて株価の値動きは激しく上下したが、ほぼマイナス圏で推移した。前日付近まで浮上する場面も何度かあったが3指数共に続落。

雇用統計を受け、金融当局がインフレ対応策として現行の利上げ方針を維持するとの見方が強まり、売りが続いた。

米国債市場では利回り曲線がさらにスティープ化。10年債利回りは3%を上回る水準を維持した。10年債利回りは3.13%。

取引開始前に発表になった4月の米雇用統計が、労働市場のひっ迫と賃金高止まりを示し、インフレ圧力の根源になっていることを示した。米国債利回りも上昇する中、米株式市場は前日に引き続き、警戒感が強まっている。ディフェンシブやエネルギー株の一角には買い戻しが入っているものの、前日に引き続き幅広い銘柄に売りが広がった。

4月の非農業部門雇用者数(NFP)は42.8万人増加し予想を上回った。一方、失業率は3.6%に留まり、平均時給は前月比0.3%上昇。労働参加率は低下した。

パウエルFRB議長は今週のFOMC後の会見で「持続不可能なペースでの賃金上昇に懸念」と述べていたが、一部からは、「市場は労働市場の過熱感に着目しているが、本日の数字はインフレ圧力の緩和期待を示唆するものは何もない。労働参加率は僅かに低下し、平均時給の伸びは予想より若干鈍化したものの、賃金圧力に関する懸念を静めるにはほとんど役に立っていない。FRBのタカ派姿勢を解するものは何もない」との声も聞かれた。

また、米大手金融からは「株式の安値と債券利回りは依然としてピークに達していない。FOMC前の1週間に全ての資産クラスから資金が流出し、米国債などの安全資産に流れた。投資家のポジショニングはパニックというよりも、麻痺という状態で、市場はインフレと成長鈍化を織り込むことに苦労している」との指摘も出ていた。現状については、「景気後退シナリオが急激に織り込まれ、今年上期の経済指標が予想以上に強く、より長期に渡る大幅なインフレと利上げショックを市場が想定したために問題が起こっている」という。

中国政府はきのう、経済的コストを最小限に抑えるという従来の公約を撤回し、強い口調で「ゼロコロナ」政策にコミットしていた。習近平国家主席が率いる最高幹部7名からなる常務委員会は、我が国の「ゼロコロナ」政策を歪曲、疑問、否定するいかなる言論とも闘うと宣誓していた。

この影響は米企業決算にも表れており、きょうはスポーツ用品のアンダーアーマー(UAA)が決算を発表していたが、決算自体は悪い数字ではないものの、中国のロックダウンによるサプライチェーンの影響などが予想以上に大きく、投資家の不安を増幅させている。関連銘柄としてナイキ(NKE)も下落しており、ダウ平均を圧迫。そのほか、化粧品のエスティローダー(EL)も中国関連の悲惨な見通しを受けて、スターバックス(SBUX)と伴にここ数日下げが続いている。ハンバーガー・チェーンのシェイク・シャック(SHAK)は、中国事業が依然として大きな影響を受けており、当面の間、不確実性をもたらすと警告した。

市場では、ゼロコロナの厳格な政策自体がかなり無理があり、中国が同政策を堅持する限り、事態は大きく変わらないとも見られている。

一方、明るい兆候も一部からは出ており、テスラ(TSLA)は、人員と部品不足の緩和を期待して、早ければ5月中旬にも上海工場のダブルシフトを再開する予定と言われている。これは中国での感染に起因する問題が緩和されることを示す初期兆候との期待も出ている。

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